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浜辺の歌 ---- 林古渓/成田為三
大正2年8月(1913年)
『音楽』
 
浜辺の歌
 
作詞 林 古渓
作曲 成田為三

 
 作曲家・成田為三の代表的な作品。発表されたのは大正期だが、全国に広まったのは昭和に入ってからだという。
 よどみなく、ロマンチックに流れるメロディ・ラインは、明治時代から必死になって欧米の歌のセンスを学んだ日本歌謡の完成形の一つといえるだろう。
 第1節にある「風の音よ」は、もともとは「風よ音よ」だった。

 
浜辺の歌
林古渓
一、
  あした浜辺を さまよえば、
  昔のことぞ 忍ばるる。
  風の音よ、雲のさまよ、
  寄する波も貝の色も。
ニ、
  ゆうべ浜辺を もとおれば、
  昔の人ぞ、忍ばるる。
  寄する波よ、返す波よ、
  月の色も、星の影も。
この楽曲に関する解説を投稿してください。
2008/01/24(木) 10:56 稲子次郎(ペンネームです)
昨年4月に投稿させて戴いた者です。青柳順子様、有難う御座います。又、「浜辺の歌三番」様、月白様、是非、私のコメントも読んで戴きたく、投稿致します。
 実は、私の著書「一度だけの『浜辺の歌』」には続編がありまして、「それからの土」というのですが、この「あとがき」に書きました内容を抜粋してお目にかけたく思います。ご参考になさって戴けたら幸いです。
・・・この作品は、前作「一度だけの『浜辺の歌』」の続編として書いたものである。(中略)
前作を含めた二つの物語は、もう一つの主題を持っている。私は、かねてより「浜辺の歌」に強い憧憬を抱いていて、いつかはこの歌をモチーフにした作品を書きたいと思っていた。歌詞の意味するところを研究し、遠大な、二つからなる小説の梗概を立案した。一人男性主人公を設定し、その人生を大きく二つに分け、浜辺の歌と結び付けた物語を描いた。一作目の「一度だけの・・・」では若き日の純愛群像を描く中で、浜辺に寄せる波を「愛」貝を「待ち人」として、一番の歌詞に籠めて書いた。二つ目の本作では、貫かれた夫婦愛という形をとって、人間本来の「愛」の尊さを、やはり浜辺の歌の二番、三番の歌詞に籠めて書いた(三番の歌詞は現在歌われず、一般にもあまり知られていない)。ここでは、私がこの物語を書く上で、それぞれの歌詞になぞらえた私なりの思いを書きとめておきたい。
(二番)ゆうべ はまべを もとおれば
    むかしの ひとぞ しのばるる
    よするなみよ   かえすなみよ
    つきのいろも   ほしのかげも

 こうして晩年に近づくまで共に暮らした夫婦なのに、私(勘次=*主人公の名)は、亡くした恋人を偲んでは心を乱してしまった事がある。罪な事だと分かっているのに、妻の姿の蔭に見え隠れする面影は、寄せては返す波のように現れ、心は、追憶を求めてさまよってしまった。

(三番)疾風たちまち  波を吹き
    赤裳の裾ぞ   濡れひじし
    病みし我は   すでに癒えて
    浜の真砂    愛子今は

 激しい「運命」変転に、私(真由美=*主人公の妻)は翻弄され、格好だけの、意気込みだけの「野良姿」は、濡れそぼるほどに苛まれてしまった。病んだ私はあなたの愛によって救われた。今は、あなたと歩んで来た人生のすべてが、わが子供のように、ただただいとおしい。・・・後略・・・

 「一度だけの『浜辺の歌』」も「それからの土」も全国の書店に流通しておりますので、ご興味がありましたら是非お読み下さい。ご希望があれば、私の手持ち分にサインをしてお送りする事も出来ます。長々と済みませんでした。稲子 次郎
2008/03/02(日) 13:47 通りすがりの人
確かな情報ではありませんので、参考までに・・・
私は先日、学校の音楽の授業でこの曲を習いましたところ、教科書にも二番までしか載っておりませんでした。
先生のおっしゃることによりますと、この曲は、我が子を失った古渓の悲しみの歌であり、三番にはとくにその情景が現れているということで中学生には、二番まででよく、三番は非常に不適切だという、勝手な配慮があり、教科書には二番までしか載らなかったのだ。とおっしゃっていました。
しかし、三番にこそこの歌の本来の趣旨があり、三番なくしてはこの曲は完成といえないと、憤慨しておられました。
先生のおっしゃっていたことを、私の記憶を頼りに書いておりますので、確証はございませんが、こういうエピソードがあったそうです。
2008/05/02(金) 18:01 リーマン
小学校のとき習ったのですが、3番はハンセン病を歌ったもので、差別的な意味があるので歌われなくなったと聞きました。
2008/05/02(金) 20:36 清原治夫 60歳
小さなピアノ発表会で弾きます。
2008/05/29(木) 16:30 おせっかいおばさん
林古渓自筆の書き込みのある楽譜(昭和13年第13版・セノオ音楽出版社)によると、三番は、
はやちたちまち波を吹き、赤裳のすそのぬれもひぢし。
やみし我はすでにいえて、濱邊の真砂(まなご と読む)まなごいまは。
となっているそうです。
2008/06/04(水) 21:15 スーパーマン
今、学校で歌ってます!!少しリズムがむずかしいけど作曲者などの、気持ちを考えながら勉強してます。
2008/11/14(金) 21:58 柳依煙 やなぎいえん
たしか読売新聞に、この曲の作者は芸大の学生で、同じ学校の女学生に恋していた。しかし、女性は親の薦める人と結婚をしてしまい、悲しみをこらかねて、この歌を作ったとの記事がありました。失恋した彼は、作曲を自らおこない、歌詞は頼んだそうです。歌詞は次のように読み取ることができるでしょう。失恋して夕方の浜辺をもとおる(徘徊)と、昔のこと、かつての恋人のことが、思い出される。寄せる波も、返す波も、雲のさまも、貝の色も、月の色も、星の影も、すべてが昔の恋人を思い出させる。あの時、はやち(突風)のように、恋人を奪われ、彼女の赤い裳裾は、ぐっしょりと濡れてしまった。その失恋の痛手から、なんとか立ち治った私ではあるが、あなたを忘れられない。浜辺の真砂のような美しい恋人よ、まさご・まなご・愛子・私の恋人よ、今はどうしているのですか。
   
2008/11/28(金) 20:31 yo-yo-
自分も今、学校のテスト範囲で歌詞を覚えています
でも、昔の言葉っぽくてなかなか覚えられません。
でもやっぱり成績とかに響くので頑張ります!!!
2009/01/07(水) 17:53 飯田春介
この林古渓の詩は大正2年に東京音楽学校の校友会誌に発表され、翌3年成田為三により曲が付けられましたが、そのとき既に古渓の意図した原詩とは相違していたようです。しかし、一応これが原典でしょう。大正7年にセノオ出版が楽譜出版した時、かなり間違いが生じ、一番の「風の音よ」→<風よ音よ>、三番の「ぬれもひぢし」→<ぬれもせじ>、「すでに癒えて」→<すべて癒えて>、「真砂(マナゴ)」→<真砂(まさご)>と、誤植のまま出版されました。昭和13年のセノオ版は初版と同じでしたが、古渓自身が筆を入れ、三番は<ぬれもせじ>→「ぬれもひぢし」、<すべて癒えて>→「すでに癒えて」と訂正され、<真砂(まさご)>、と<風よ音よ>はそのままとなりました。
現在、「しのばれる」→「忍ばれる」、<風よ音よ>→「風の音よ」、「ぬれもひぢし」→「ぬれひじし」と訂正されていますが、だれが、何時、何処で、というのは、調べて見ましたが分りません。ただ「忍ばれる」というのは単純に意味が違いますので、校閲者のミスでしょう。漢字にするなら「偲ばれる」です。
2009/01/07(水) 17:58 飯田春介
訂正します。
「しのばれる」→「忍ばれる」は「しのばるる」→「忍ばるる」です。
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浜辺の歌(表紙)
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秋田県立博物館
成田為三
なりた・ためぞう
明治26年12月15日〜昭和20年10月29日
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